まず前回載せなかった挿絵ラフをいくつか。
モノクロ08最初、聖歌に惑歌のスカーフを掴ませて胸持ち上げていたのですが
「メガネのつる(サイド部分)に指で触れていた方がキャラ立つ」というチェックバックも考慮に入れ
聖歌の慎ましいおバスト様に乗っける事に。
モノクロ09「誰?」ってなった方もいたかもなので補足。
下段にいるのは鏖です。
モノクロ10忍if。
格好いい婚活さんと大人惑歌描きたいなと思ってチョイスしたシーンなのですが
気付いたら祝様と迷さんばっか描いてた気が。
続きましてキャララフ。

チゾメノザシキワラシ
ラスボスだし強そうに見えるようシルエットを大きく禍々しくしようとしたらこんな事に。
お蔭でメインヒロインっぽさは消せたかなと。

雪女s
斑(&霜)
グラマラス、ポニーテイル以外は特に指定が無かったので結構自由でした。
目同様唇も真っ青にしようとも思いましたが具合悪そうに見えたのでやめました。
霙
小…かわいい。
大…超かわいい。
大きくなったときに水色の帯の結び目がひっくり返るというのが最大のこだわり。

鏖
本来の設定では外側のぶよぶよだけだったのですが過去艶美みたいな感じでもいいよとも書いてあったので両方採用しました。
人工物、おまけに不完全のようでしたので中身もぶよぶよの外に出ると形が保てず溶けます。

月輪の妖花
基本的には死出子をヒントにしつつ所々アレンジした感じです。
リテイクに辺り、縛るかって話になったので亀甲以外で何かないか調べていたのですが
その過程でどうやら死出子のアレは「菱縄縛り」だったという事が判明しました。
ただ作った人がその辺凄くいい加減で樒はちゃんと作法を弁えてる…とかにすればいいんじゃないかという結論に至りました。
※次が菱神sistersなのですが、「名前」と「破壊対象」以外は何も知らない状態で
とっかかり程度に考えた妄想設定を元にラフを描きました。
要は非公式なうえ、嘘設定なのであまり真に受けないで、そして推しメンがとんでもない設定でも怒らないで…という事です。
そんなわけで↑を了承した上でご覧下さい。
最後にひとつ、選びなおすなら今の内です。

顕
髪を巻いてるのはその下に隠したいものがありパーカーの絵柄もその暗示。
色々危ないのでこれくらいしか書けませんが兎に角暗い過去があるという事だけ。
初っ端から大分アレな感じですがこんなにヘビーなのはこの子だけ。
戦闘能力については特筆しない限り「舞さんには勝てないレベル」という想定です。
失
ドSで何かスケベそうなイメージ。
教育を破壊するのでまぁ女教師風なのですが絶対ダメだよねっていう感じの見た目。

由
色んな意味で大きい艶美…という見た目。
交渉に対戦車ライフルを持ち出すくらいにはぶっ飛んだ子。
弾が当たりさえすれば舞さんにも勝てる…かも。
夢
この子こそアカン設定がありそうですが
倫理的にアウト=とりあえず小さい子かな…くらいにしか考えてません。

落
不健康そう。
ドーピングとかで一時的にめっちゃ強くなるとか。
籤
女子の袴使ってないなと思ったのでここで。
恐らく1番の安牌。
ただ何かこうあまりに普通過ぎて「元男だったら面白くない?」とは思いました。
贅みたいに菱神の女の特性を後付けできるならそういう方法もありかなと。

浪
金の亡者。
惑歌と渡り合えそうな感じ。
新
伝統を破壊って何だろうと考えた挙げ句特に何も出てこなかったのでとりあえず和服を洋服の様に着せてみました。
他の菱神と違って凄くいい子そう。

箍
長所:あらゆる男性に対してとにかく優しい。
短所:股が緩い。
…という想定ではありますが見た目的にはこの子が一番好きです。
天
普通の人間に菱神を植え付け制御できるなら純粋な菱神の女も何とかできるんじゃないか…という名目で
研究、実験されてた個体。
本来の能力を増幅するために「妖怪の薬」を与えられた結果、髪も生え変わって菱神覚醒…したはいいものの全然言う事聞いてくれずそのまま脱走。
じゃあもう思い通りになる菱神を一から作ろうよって事で生み出されたのが鏖。
…という所まで考えました。
ちなみに戦闘能力については覚醒(白髪化)前の艶美であれば余裕でボコれるくらいには強いんじゃないかと。

ペチャパイ
小手蜜家は血筋として皆さんファッションセンスが壊滅的…という設定にしちゃった所為で素体より服の方が大変でした。
結局妹のと似たスーツ&コスプレで対応する事に。
美島さん
めっちゃいい人だったのに挿絵には出せなかったのですがこんな感じの見た目でした。

舞
艶美とは違う意味で気温に左右されなさそう、でもやっぱり寒そうってなったのでジャケットを着せてみました。
主人公の1人ですしシリーズ振り返って何か書こうかなと思ったのですが
この人に関しては「お近づきにはなりたくないけど多分悪い人ではないのだろう」という最初の印象のまま巻を重ねても特に何も変わっていません。
恐らく最初からある種完成されたキャラクターとして出てきてそこからブレない事がこの人の魅力なのではなかろうかと。
そこに性別は関係ない気がするので変な話もし男として出てきても好きになってたかもしれません。
祝様
ここへきてようやく年相応の格好。
家紋はどうしようかなと思っていましたが珠についてのご提案もありそちらに付ける事に。
シリーズ通しての祝様については当初「10年後が楽しみ」という感じで眺めてたら本当に10年後の姿で現れて驚いた
という感想が全てです。
また、絵的には1番の課題で、「この子をちゃんと描けるようになったら引き出し増える」と思って常々作業してました。
お蔭様で幼女奥深過ぎて逆に迷走中ですが前よりは形になったかなと思います。

隼
この人も舞さん同様割と変わらない印象。
そろそろ「妖怪嫌われ体質」を「JC好かれ体質」に改めた方が良い気がします。
艶美
毎回衣装を変える事の大変さを教えてくれたキャラ。
バニー、サンタ、ケーキ以外もコンセプトみたいなの考えておくべきでした。
キャラクター的には隼さんとセットで好きという感じです。
この2人に関しては普通に会話してるだけでも大分面白いですし。

惑歌
「出てくるだけで御の字」とか思ってましたが何気に結構出てくるという不遇なのか優遇されてるのかよくわかりませんが
個人的にはかなり好き。
挿絵的には凄く優遇したので全く出番の無かった(多分)8巻以外は必ずどこかで描くくらいにはお気に入り。

乳牛悪魔
マルグリット、ヘンリエッタの2人ともですが、まさかこんなに出番があるとは思いませんでした。
特に乳牛さんなんて凄いいい所で再登場したりして、あの時程「キャララフ描いといて良かった…」と思った事はありません。
ヘンリエッタについては6、7巻が印象深いです。
忍との組み合わせも面白かったのですが、7冊目にしてようやく名前が判明するっていう…しかも他人の口から。
設定としても伺っていなかった筈なのでここは割と本気で驚きました。

婚活
名前と言えばこの人も。
そもそもあったんだって話ですが。
毎巻好き勝手遊ばせていただいたので挿絵的には婚活さんがダントツでMVPですね。
特に総扉では人選に悩まずに済みましたし非常にありがたかったです。

忍
己の欲望に忠実、既に大人の階段上った状態で出てくる、そしてすぐ死ぬ…というおよそ主人公らしからぬ特性を持ち
それらをいかんなく発揮していたチャラ男。
この手の創作物では珍しいくらいある意味清々しい程ゲスいキャラで、個人的には割と好き。
ちゃんと主人公っぽい事もしますしね、毎巻表紙に描いた甲斐はあったのではないかと。

縁さん
赤無垢じゃないかって話ですがメモにもある通り本人から見て白に見えるようにしました。
こちら視点で白にすると迷と被るから嫌というのもありました。
あとまぁ単純にこの人は赤がいいだろうなと。
シリーズ通してだと忍同様、テクノビレッジからのお付き合いで思い入れも半端ないわけですが
そもそも「最も好みな見た目」として描いたキャラだったので常にNo.1だったのも然もありなんです。
完結はしましたが事あるごとに描いていきたい、そんな今日この頃。
ここからはちょっとした裏話とかインテリやってどうだったかみたいなのを書いていこうかと。
元々「illust&story」という雑誌の企画がありましてこれがその年の電撃イラスト大賞の受賞者が描いたイラストに
応募条件であった課題イラストの著者、今回で言えば鎌池さんが文章をつける…みたいな企画、
ただ自分の回は文章ありきでイラストを描くというイレギュラーな形式になりました。
依頼された時に編集さんからそういうご提案、さらに自分がオリジナル苦手という事もありこちら的にはむしろラッキーくらいの感じで実際いただいた原稿(×4+各設定資料)も全部面白くて結果的にそのやり方で正解だった気がします。
問題だったのは4本全てが面白かった事。
悩み過ぎて進まんと思ったのでとりあえず忍と縁さんが出てくる1本と
世界観的に他と大分カラーが違うもう1本にそれぞれキャララフを添えて最終的には鎌池さん判断でテクノビレッジ爆誕!となりました。
ちなみに最後の2択で不採用になった方が9巻あとがきで言う「もう1人の主人公」のお話です。
4人目が誰だったかについては鎌池さんが明言しない以上答えは言いませんが、
インテリ1巻が短編のまとめであるならばそう選択肢もないので少なくとも4人目の「ヒロイン」については結構あからさまかもしれません。
その後改題等ありつつもインテリがスタート。
1、2巻まではこれでいいのかなと毎度毎度おっかなびっくりでしたが
3巻で初めて鎌池さんとお会いして開口一番「雪女ぺたんこじゃなくてすみません!」と謝ったのはいい思い出。
「お風呂熱くて溶けちゃうから雪で体積増してたとかにすればいいんですよ」という後々正式採用される設定が生まれたのもこの時。
細かい所は鎌池さんが帳尻合わせてくれるからとりあえず投げてみようと思ったのもこれがきっかけでした。
毎巻技術的な反省はあれどやった事に後悔は無く常に楽しくて
休みが出来てもキャララフ描くみたいな最早仕事かどうかもわからなくなりかけたインテリももう終わり。
キリ番の件も含め最後に何かできないかと色々考えなんやかんやで準備も整いましたのでとりあえず載せます↓
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------

朝、目が覚めるとグラマラスな座敷童が身長一三〇センチに縮んでいた。
「い、一体、一体何があった座敷童!? 九八センチのお胸様はどこへ行ったああああ!?」
「忍。全力の泣き顔が超キモいけど、とりあえず小さい方の変態ではないようでそこだけ安心材料ね」
「ぶっちゃけ全ての利点が消えたよなお前」
「それはそれでイラつくんだけど、そうね、問題は座敷パワーよ。誰かが私の座敷パワーを奪っていったとしか思えないもの」
「ざし、何だって? いきなり世界観が雑になってねえかぐーたら妖怪!?」
そして勢い良く開け放たれる襖。
部屋へと踏み込んできたのは、長い銀髪に白い肌、ただでさえ丈の短い着物を肩出しにしたおかげでチューブトップのドレスみたいになっている、
「う、臼挽き童、だと!? どうした事か、ワラシのくせに七・五等身で太股はむっちり、爆乳がこぼれそうになっているけども!!」
「ふっ、まろが本気を出せばこんなものじゃ。一応世界レベルの災厄をもたらすボスキャラであるがゆえ、二回三回の変身くらいは覚悟してたもれ坊や……!!」
「そして口調が間違ってる!! 何だ、もうみんなに忘れられたのかお前!?」
「忍。あいつ元からきゃーきゃーしか言ってないからきっと何でも当てはめられるのよ」
「それにしたってまろってツラかあいつ! 違うよ、俺の臼挽き童はあんなのじゃない!!」
「たかだか十数年生きただけの少年にまろの何が分かるというのかえ? そもそ
「ほうら臼挽き童、ぺろぺろキャンディーだぞー?」
「きゃーきゃー」
「……」
「……」
「忍、あなたの将来がちょっとだけ不安になるのだけど」
ともあれ。
「あいつが私の座敷パワーを奪ったのは事実。さあ行きなさい忍、愛と勇気とあと炭酸飲料に入っている何だか良く分からない成分みたいな大人の事情のために座敷パワーを取り戻すのよ」
「何で俺がめんどうくさ
「この変態!! そんなに私の四・五等身をキープしたいの!? 一回くらいこのナリで布団に潜り込んでくるところを堪能しないと動く気が起きないとでも言うつもり!?」
「これもこれで面倒臭い!! 分かった臼挽き童、そのバインバインを一通り楽しんだらさっさと座敷童に返してや
「ほほう、せっかくのグラマラスボディ臼挽き童じゃというのに、これでは満足できんと? よほど四・五等身のきゃーきゃーモードがお好きと見たわこの変態め!!」
「やーばーいーどっちも面倒臭ェえええええええええええええええええええええええ!!」
「忍、これはどちらに胸があり、どちらが目立つべきかという話よ」
「当然それはまろのはずじゃよな。まろの方が華があるよな?」
「どっち!?」
「なのじゃ!!」
しばし考え、
「……半々に分けてクラスメイト乳くらいで妥協すれば両手に華でダブルで楽しめ―――痛い痛い痛い! 分かった、真面目に考える、考えるから!!」

©KADOKAWA/Kazuma Kamachi
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
…ってな感じでいかがでしたでしょうか。
本人ちょろっとイラスト描いただけであと全部鎌池さんじゃん…というのはさておき
何でしょう…臼挽きちゃんにあまり違和感が無い。
縁さんも描いてるときは血涙流さんばかりの苦行でしたが
出来上がってみるとこれはこれでアリかもなんて思ったり。
こちら、お話自体は以前言ってた大量の掌編の内1つを拝借させていただきました。
鎌池さん、編集さんご協力ありがとうございました。
本当に最後、兎にも角にもここまでお付き合いいただいた方々に最大限の感謝を。
この作品がこの形で良かったと思っていただけたならこれ以上の喜びはありません。
そして願わくば鎌池さんとの次回作もお手に取っていただければと。
では今回はこの辺りで失礼します。
-- 続きを閉じる --